新型コロナウイルスの影響で、外出を自粛したり、 人と会う機会が減っている方が多いかと思います。 特に高齢者においては、このような生活が長く続く ことによる健康への悪影響が懸念されています。 外出を控えて家に閉じこもりがちになり、歩行機会 が失われることで、動かないこと(生活不活発)に よる、フレイル(虚弱)が進みます。 その結果、体の回復力や病気に対する抵抗力も低下 することになります。 免疫力を高めるためにも、意識的に体を動かし、 フレイル予防に取り組むことが大切です。 ご家族のために、そしてご自身のためにフレイル予防のことをお伝えしますね。 ☆★☆*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*★☆★ フレイルとは ☆★☆*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*★☆★ フレイルとは… 「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。健康な状態 と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機 能の低下が見られる状態のことを指しますが、適切 な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにす む可能性があります。 フレイルの悪循環… 自粛生活が長くなるにつれ、以前の生活以上に活動 量が減り、筋力が低下することで、バランス障害や 転倒・骨折を引き起こし、移動困難になり、さらに 筋力が低下します。 活動性が落ちれば、食欲が湧かないので食事の摂取 量が減り、タンパク質をはじめとした栄養素の摂取 不足による低栄養状態になります。低栄養状態が続 くと筋力や筋肉量がますます減少していきます。 このような悪循環が加速していき、要介護状態にな る可能性が高くなってしまいます。 ☆★☆*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*★☆★ フレイル予防のポイント ☆★☆*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*★☆★ 新型コロナウィルス感染症の予防を行いながら、 フレイルに注意しつつ、健康の維持に努めるために は、「栄養」「運動」「人とのつながり」の3つの ポイントが重要となります。 外出の際には、マスクの着用・人混みを避ける・ 帰宅後は手洗いをすぐに行うなどの感染予防対策を 行ったうえで、次のことを実践しましょう。 ●バランスの良い食事で低栄養を防ぎましょう 十分なエネルギーのあるもの、また、特に筋肉をつ くるタンパク質が多く含まれる食材や、筋肉の増強 をサポートするビタミンDを多く含んだ食材を積極的 に食べましょう。ビタミンDは、きのこ類、魚介類、 卵に多く含まれます。 食事後の歯磨きは、口を清潔に保ち、風邪やインフ ルエンザ対策になるだけでなく、口腔機能の衰えの 予防に欠かせません。 ●座っている時間を減らしましょう テレビを見ながらストレッチ、スクワットなどを行 ったり、ラジオ体操のような自宅でできる運動を積 極的に行いましょう。また、人との距離をしっかり 取ったうえで、ウォーキングなどを日常的に行いま しょう。 筋肉や骨の維持、形成に欠かせないビタミンDは、 日光を浴びることで つくりだされます。また歩く ことは気分転換にもなり、血流の循環を良くし免疫 力を活性化してくれます。 ●人とのつながりを持ちましょう 外出機会が失われると、人とのつながりが希薄にな り、意欲の低下や認知機能が著しく低下する恐れが あります。家族や友人と意識的に連絡を取り合うよ うにしましょう。ちょっとした挨拶や会話だけでも 電話やオンラインを活用して行うと良いでしょう。 人とのつながりは、さまざまな不安やストレスを 軽減し、安心して暮らすための重要なポイントです。